top of page

黒島天主堂

2013年のクリスマスは佐世保沖に浮かぶ島、黒島で過ごしてきました。

 

住民のほとんどがクリスチャンの島ということはかなり前から聞いてたし、

何より美しい教会の写真を見ていたので、ぜひ一度行きたいと思っていたら、

クリスマスという絶好のタイミングで行けることになりました。

宿泊先の方もクリスチャンだろうから、

そんな大事な日に宿泊させてもらえるか心配だったけど、

電話で聞いてみたところ、こころよく受け入れてくださいました。

さらに夜のミサにもいっしょに連れて行ってくださり、

その後は島の人たちの宴会にも参加させてもらい、

ほんとうに思い出に残る滞在になりました。

 

さて、その黒島ですが、現在人口は500人弱。

黒島という名前の由来については

「クルスの島」から来ているという説もあるけど、

キリスト教伝来以前から「黒島」という名前はあったそうなので、

残念ながら「クルスの島」ではないようです。

 

黒島には、江戸時代には

大村藩などから逃げてきたカクレキリシタンが住んでおり、

大浦天主堂での信徒発見の二ヶ月後にはすでに

黒島の信者たちが大浦にプチジャン神父を訪ねています。

 

この立派なロマネスク様式の天主堂の建設が始まったのは1897年(明治30年)。

パリ外国宣教会のマルマン神父が、設計、建設工事、資金調達、

さらには内部の彫刻や説教台などの制作まで、

超人的な活躍をして1902年に完成しました。

マルマン神父のお墓は教会近くの墓地にあります。

僕が訪ねた時は教会の中にも

島の子供たちがマルマン神父を描いた絵が置かれており、

また島の信者さんの話を聞いていると、

今でも本当に慕われているのだなあと感じました。

 

天井はリブ・ヴォールト式。

外壁のレンガは信者の手焼きのものも多く使われたそうで、

ところどころ少し黒ずんだレンガがあったりするんだけど、それがまた良い感じです。

内部の木目は本物ではなく、ニスの二度塗りをする際に櫛で付けたものだそうです。

祭壇の床には有田焼きのタイルが使われています。

祭壇部分は半円形になっていて、その部分を外側から見た時の湾曲が特徴的。

雑賀雄二さんの素晴らしい写真集『天主堂 光の建築』の表紙にも使われています。

 

何度でも訪れたいほんとうに美しい教会です。

最近では、マンガ『坂道のアポロン』を読んで来る観光客もいるとか。

佐世保を舞台にしたマンガ『坂道のアポロン』には、

佐世保駅前の三浦町教会とこの黒島天主堂が登場します。

 

※右下の「▶」を押すと自動再生。

写真をクリックすると少し大きくなります。

 

【アクセス】

佐世保市の相浦港(佐世保駅前からバス、もしくは松浦鉄道で30分)からフェリーに乗船。フェリーは高島経由で黒島まで50分(片道720円、往復1370円)。

黒島の白馬港から天主堂までは徒歩30分ほど。

 

【リンク】

民宿つるさき

港まで送迎してくれます。天主堂の案内もしていただきました。

ホームページには島の観光などに関する情報などもたくさん。

 

山した旅館

 

【本】

・小玉 ユキ 『坂道のアポロン』

・内田 洋一 『風の天主堂

・雑賀 雄二 『天主堂 光の建築』

 

© 2014 by Satoshi Nonomura. Created with Wix.com

bottom of page